第57回入学式・第39回専攻科入学式を執り行いました

2017.04.06

 

 

 第57回入学式・第39回専攻科入学式を4月5日(水)、iichiko総合文化センターグランシアタで執り行いました。

 今年度は短大に395名(美術科82名、音楽科72名、国際総合学科118名、情報コミュニケーション学科123名)、専攻科には47名(造形専攻24名、音楽専攻23名)の計442名に入学が許可されました。

 大分の芸術文化発信拠点のひとつでもあるグランシアタにて、期待に満ちた表情の新入生と教職員とともに新たなスタートをきりました。

 会場では在校生が真島俊夫作曲「ウェルカム」森山直太朗作曲「サクラリトロジー」(桜/コブクロ~さくら〈独唱〉/森山直太朗~桜/河口恭吾)ヤン・ヴァン・デル・ロースト作曲「フラッシング・ウインズ」フィリップ・スパーク「祝典のための音楽より第3楽章」を吹奏楽で演奏し、新入生を歓迎しました。

 新入生たちは先輩たちの迫力ある演奏を熱心に聴き入り、凛とした空気の中で式は進行されました。 

 

 中山欽吾学長は式辞で「規模は小さくてもキラキラ輝く宝石のような大学にするためには、皆さん一人ひとりが輝いて光を反射していくことが必要。自らを磨き、どんどん地域社会に出て行ってほしい。」と新入生にエールを送りました。

 入学生宣誓では短大代表の高瀬彩葉さん(情報コミュニケーション学科)と専攻科代表の杉山未奈さん(専攻科造形専攻)が登壇し、「学則を守り、学生としての本分をつくします。」と宣誓しました。

 

 また、広瀬勝貞大分県知事と、井上伸史大分県議会議長から激励の言葉をいただき、一層引き締まった新入生の表情は頼もしいものがありました。

 新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。教職員一同、心から歓迎します。

 

 


 

第57回入学式・第39回専攻科入学式学長式辞

 

 芸術文化短期大学に入学された395名の皆さん、また認定専攻科の第11期生となる47名の皆さん、御入学まことにおめでとうございます。ご臨席いただいた広瀬大分県知事、井上大分県議会議長、工藤大分県教育長、廣瀬大分県企画振興部長をはじめ、ご来賓の方々、本学役員、教職員とともに、皆さんの入学を心から歓迎いたします。また本式典にご参列下さいましたご家族、関係者の方々も、喜びは如何ばかりかと存じます。心からお祝いを申し上げる次第です。

 一昨年から、入学式をここ総合文化センター・グランシアタで執り行うことにしましたが、それには理由があります。隣には県立美術館(OPAM)が一昨年オープンし、道を隔てた二つの施設が、「芸術文化ゾーン」として、本県での芸術文化の中心となり、皆さん方が活躍する舞台ともなる場所だからなのです。

 さて、新入生の皆さんは、待ちに待った今日の入学式を迎えられ、キャンパス生活への期待と希望に胸を膨らませていることでしょう。これからはその期待に違わず、新鮮な気分の中にも、緊張感のある、ワクワクするような毎日になることを約束します。ご家族の方々には、今までの来し方を感慨深く思い起こしていらっしゃることと思いますが、お子さまが大学に入学されると、今までと比較にならないほど独立して自分の道を歩き始めることになります。これからは是非そのことをご理解いただき、温かく見守って下さるようにお願い致します。

 大分県立芸術文化短期大学は、公立大学法人として独立経営を行う組織になっています。大学には芸術系の音楽と美術、人文系の国際総合と情報コミュニケーションの四学科があり、加えて、造形と音楽の分野を有する専攻科から成っています。本学の教育目的に《幅広い教養及び優れた技能を有する人間性豊かな人材を育成し、もって芸術の創造、文化の進展、及び地域社会の発展に寄与する》と唱っているように、専門教育と教養教育をバランスよく学ぶことができます。教育に当たる先生方は、専門家としてそれぞれの分野において高い専門性を有しており、その先生方の専門性に応じて学生達が少人数で直接学ぶ仕組みがゼミであり、本学では一年次からこのゼミに入ることになります。専門性に裏付けされた学問を、どのように教えるのか計画を作り、講義の要旨等を冊子にまとめた授業ガイド、シラバスと言われるものを皆さんに差し上げることになります。その中から皆さんそれぞれが自分の学びたい科目を選んで勉強することになるわけです。

 このことは、社会人になるためにどのような分野を伸ばしたいのか、また、どのような資格を取りたいのかといったデザインを、今から自分自身で描くことを意味します。そして、皆さんは二年間で、あるいは芸術系の専攻科へ進学の場合には四年間の勉学の後、社会に巣立って行きます。特に短期大学としては、入学した年と卒業する年の二年間しかないので、スタート直後から独り立ちして社会に出て行くということをしっかり意識した勉強を全力投球でやっていかなければなりません。反面、この自覚と緊張感が皆さんのキャンパス生活において、真剣かつ充実した毎日を過ごすことに繋がることになると思います。

 皆さんは各学科のいずれかに所属していますが、それぞれの学科の専門知識や専門技能・技術の習得に加えて、望めば人文系と芸術系の垣根を越えて、もっと広い範囲の学習をする機会もあるということを忘れないでください。これは、芸術系と人文系の学科の学生達がお互いに顔が見える範囲のキャンパスの中で、ともに学んでいる本学の環境ならではの特権です。さらには、教育の重点取組のひとつとして、様々な機会に学外で活動する体験的学習が用意されています。芸術系では、定期演奏会や小中学校での地域巡回演奏会や、ふれあいアート講座、様々な作品展等々、学外に出ての活動は、地域の人たちとのコミュニケーション力を養うために大いに役立つことでしょう。

 人文系でも実社会で経験を積んでリーダーとなっている方々を招いて行う「地域社会特講」や、サービスラーニングを始めとして、多くの地域活動や社会活動に参加することができます。本学は大分市、由布市、竹田市のほか、多くの芸術文化団体やマスコミ等と友好交流協定を結んでいます。海外では米国、英国、フランス、ニュージーランド、中国、韓国、マレーシアの大学へ、春休みなどを利用した語学実習や短期研修を実施しており、毎年数十名の学生が参加しています。現地で実際に生活し、人々と交流することを通しての様々な経験が、学生生活をさらに豊かにしてくれることでしょう。

 専攻科についてもお話ししておく必要があります。芸術系には造形と音楽の二つの分野を有する認定専攻科があります。短大卒業後、更に二年間の研鑽を積み、学士号をとることができます。そして、修了後には大学院に進学してさらに修士号を取得した卒業生も生まれています。専攻科に進まれる皆さんにとって、短大と専攻科の合計四年間の勉学は、四年制大学と比較してもその集中度において、はるかに勝るものがあります。一層の専門性獲得のために自信を持って進み、更に学習を重ねて所期の成果を挙げられるよう心から願うものです。

 さて、昨年度後半から始まったキャンパスのリニューアル工事は、今後四年間に亘る大事業です。勿論皆さんのキャンパス生活にできる限り支障のないよう、注意深く工事を進めています。このリニューアルの目玉は、大人数のオーケストラや合唱の練習ができる十分の広さを保った音楽ホールの新設、キャンパスの南端にある食堂は音楽ホールと併設し、図書館は正門付近に新築して人文系や芸術緑丘高校の学生・生徒の皆さんとも、お互いの交流を一層盛んにすることや、広々としたギャラリーや交流広場を設けることなどです。完成の暁には見違えるようなキャンパスになる予定です。皆さんのキャンパスライフとリニューアル工事が並行して行われますので、皆さんには不便をかけることもあるかと思いますが、どうかそれを乗り越えて、有意義なキャンパスライフを送ってください。

 本学は、規模は決して大きくはありません。しかし、私は小さくてもキラキラ輝く宝石のような大学にしたいと、言い続けてきました。そうなるためには、皆さん一人ひとりが輝いて、光を反射していくことが必要です。自らを磨き、どんどん地域社会に出て行くことが、大学全体が外に向かってキラキラと輝くこと繋がっていくのです。そこに皆さんひとりひとりの輝きも是非加えていただきたいものです。そのためには、大きな目標を持ち、自らを高めていくことが必要ですが、皆さんはきっと先輩達に負けずにそれを実現してくれるでしょう。

 さて、明日からいよいよオリエンテーションが始まり、皆さんは最初に何を、どの先生に教わるのかを決めていくことになり、待ったなしのキャンパス生活が始まります。一日一日を大切に、そして健康に留意して、思う存分にキャンパス生活をエンジョイして下さい。

 

 

 

平成29年4月5日
大分県立芸術文化短期大学 学長 中山 欽吾