ジャネー氏による水球講習会


 筑波大学水球チームが招聘したジャネー氏(スペイン水球チーム監督)による水球講習会が、福岡県水泳連盟主催のもと平成10年7月4日(福岡県立プール)、5日(福岡工業高校)で開催されました。

参加チームは筑波大学、福岡工業高校、福岡高校、早良高校、筑前高校であった 指導者も熱心に練習に見入っていた

主にフットワークを中心とした基本練習を行いその重要性を強調していた

パス練習では確実に相手の手元に投げること、シュート練習では確実にゴールポストの枠の中に撃つことを強調していた

Juan Jane(1953.5.31生まれ)

1968年 15歳にてメキシコ五輪出場
1972年 ミュンヘン五輪出場
1976年 モントリオール五輪出場
1982年 現役引退
     C.N.Barcelonaをはじめ、
     数々の名門チームの監督に就任
1993年 スペインナショナルチームの監督に就任
1994年 第7回世界選手権(ローマ) 銀メダル
1996年 アトランタ五輪 金メダル
1998年 第8回世界選手権(パース) 金メダル

プールでの実技練習の後、会議室で講演が行われた

 

講演の内容

<スペイン水球の過去〜現在>

ジャネー氏がナショナルチーム入りしたときには、スペイン水球はアマチュアのみで国際試合も年間に7〜8試合を行うだけであった。しかし、バルセロナ五輪(92年)をひかえて88年にプロ化され、国からのバックアップ体制も行われるようになった。五輪や世界選手権の前年からは年間35試合ほどの国際試合を行えるようにもなった。
近年では国際大会でも最高の成績を上げることができるようになったが、その要因には国内リーグのレベルの高さを上げることができる。国内でついた力を国外で試す機会が増え、さらにレベルのアップが図れる。諸外国からの実力のある選手のリーグ加入もひとつの要因である。

<ナショナルチーム指導の上で大切なこと>

ジャネー氏は選手時代はディフェンスはそれほど好きではなく、チームとしても現在ほど練習は行われていなかった。しかし、選手からコーチへ就任したときにその考えかたが変わり、個人よりもチームを重視してディフェンスを強化していかなければならないことを実感したそうである。それまでのスペインチームは、どちらかというとディフェンスよりもオフェンスを重視する余り結果に結びつかず、トップにはあと一息というところに留まっていた。
アトランタ五輪、ヨーロッパ選手権、パース世界選手権において強豪チームを少数得点に押さえ僅差で勝利してきたが、相手を少数得点に押さえ、その相手よりも多くのゴールを入れることはいかに難しいことかを実感した。いくらたくさん得点を取ったとしても、自チームより1点でも多く点を取られると負けである。チームディフェンスは、1人でもさぼるとまったく機能しない。
スペインは、ディフェンス力を始めとしたチーム力で勝負するチームであり、個々のオフェンス、ディフェンスプレーは強豪国に学ぶところが多々ある。オフェンス、ディフェンスなどさまざまなプレーのビデオを入手してプレーヤーに見せるようにしている。

<チーム作りのコンセプト>

<フロアーからの質問>

それほど特別な内容のことをやっているわけではない。(講習でのフットワーク練習は実に基本に忠実な内容を様々な動きを取り入れながら1時間余り行ったが、これが当たり前なのであろう)
それよりも、パスを投げるときに集中して味方の欲しいところに投げること、シュートのときにはゴールポストの中に撃ち確実に決めるようにする事などの気持ちを持つことが非常に大切である。
ウェイトトレーニングについては、昔は行っていなかったが、最近では大きな大会に向けてナショナルチームが作られて最初1ヶ月間は週に2〜3回行い、試合期には毎日行っているということである(詳しい内容についてはこの場では言及なし)。

以上講演の内容をまとめてみましたが、通訳の方が話したことをメモに取り文章化したために、主観的な表現になったり、ジャネー氏の本意が伝えられていないかもしれません。


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