「大分国際車いすマラソン交流イベント~廣道純選手の挑戦~」を開催しました

2013.10.26

 10月18日(金)、本学 人文棟 大講義室にて「第4回 大分国際車いすマラソン交流イベント~大分から世界へ、廣道純選手の挑戦」を開催しました。
最初に、このイベントのコーディネーターを務めた国際総合学科 ジュリー・ヌートバー准教授が廣道選手のプロフィール紹介を行いました。

 講演では、車いす生活になった頃からプロアスリートとなった現在までのお話をされました。英語も分からないまま海外へ行き、車いすマラソン世界記録保持者の元へ弟子入り志願したり、突然会社を辞め、保証もないプロの道へと進むなど、行動力あふれるアクティブ人生に聴講した方々も興味深く聞き入っていました。

 また、世界記録保持者ジム・クナープとの出会いがレースに対する、練習に対する姿勢が変わったことや、世界に出て行ったことで変わったという人生観、“車いすアスリート”という人生は、運命に導かれるようなかたちで開けていったことなども語りました。

 廣道選手は、「この競技と出会ったおかげで、車いすの人生ほんとバラ色に変わった。自分が障がい者であるっていうことを感じる必要がないくらいになんでもできる。努力すればどんな人間にでも必ず、チャンスはやってくる!というのを、大会を通して感じて頂ければと思います。大会当日は、OBSラジオで生中継があるので、小さいラジオやradikoで、ぜひそれで聴きながら、レースの状況をチェックしてほしいなと思います。なんとか集団に食らいついて、競技場まで先頭集団で帰ってこれるように、頑張ります!」と大会への意気込みを述べました。

 「第33回 大分国際車いすマラソン大会」はいよいよ明日27日(日)11時 大分県庁前スタートです!みなさまぜひ、アスリートたちの熱い戦いを、生で応援してください!

 

 

◆質疑応答
Q.私は大分県の出身じゃなくて、今回の車イスマラソンは初めてなんですけど、廣道さんのいまのライバルを教えてください。
A.いまもうHPで選手のエントリーリストみたいなのが発表されているので、ゼッケンとかでチェックしてもらえたらと思うんやけど、僕はゼッケン8番なんですね。大会当日、おそらくレースがスタートして、まず最初に集団形成されるのが、ゼッケン1番から加わってきたとして10番まで。完全にメンバーを見たら、力の差があるな、と感じているので、10番までの選手がまず第一グループを作るやろうなと。一応、要注意人物としては、日本人は山本、洞ノ上、久保、で、廣道ぐらい、この4人ぐらいを覚えといてもらって、あとはスイスのハインツとマルセル、そのハインツが55歳、マルセルは27歳、その9月のベルリンマラソンで、ハインツが優勝、マルセルが2位ていう状況です。だから非常に面白い走りになるかなと思って。俺の予想が当たるか。結構分析はしてるつもりなんで、そんな風になるように、頑張って走ります。


Q.海外に興味があるんですけど、年に何回ぐらい海外の大会に出られるんですか。
A.だいたい多い時は10回くらいあるんやけど、5回~10回ぐらいの中で、「今年はここ行こうかな、ここ行こうかな」ってまず最初にスケジュールを決めて、で大会が近いづいてきた時に、大会側から「招待するから来て」って言われたりすると、行こうと思ってなかったけど「あ、呼んでくれてんやったら行こうかな」ていうので増えたりして、毎年だいたい7~8回とかそんな感じですね。

Q.もう英語はペラペラなんですか?
A.会話は、一人で行って、荷物がなくなったやのいろいろあっても困らず、やってこれたり、何かあってもちゃんと警察とか色んなところで交渉して、全部解決して、無事に帰国できるくらいは喋れます。(笑) 英語はね、世界チャンピオン・ジムクナープっていうジュリーと同じカリフォルニアの選手ですが、カリフォルニアの世界チャンピオンの元へ行って、「英語勉強せえ」って言われた時から、英語を勉強しだして。それまで学生の頃は全く勉強してなかったし、全然英語もカタカナ英語もなかった。単語帳もやったことなかったし、中学の英語の教科書がまっさらな状態で実家から送り届けられて、それを見ながら英会話に通いながら勉強して。レースの為っていうのがあったから、喋られるようになりました。絶対、英語は必要や。もうやっててよかったなってほんまに思う。英語が喋れたおかげで、世界に出て行ってもいろんな選手と会話が出来て、日本の島国の情報が入って来へん国におりながら、いろんな選手から新しい情報を、生きた情報をもらえた。

Q.いまお嬢さんが二人いらっしゃいますけど、その誕生を境に、考え方が変わられたんじゃないかと思うのですが、どう変わられたかお聞きしたいんですけど。
A.レースと出会って、僕の第二の車いす人生は車いすレースのためにすべてを捧げようという思いでずっと走ってきてたんですが、結婚してもその気持ちは変わらなく貫いてきてんたんですが、娘が生まれて、やっぱり「ほっといたら死んでしまう」、嫁さん一人の時は、俺がおらんようになっても、なんとか一人で生きてってくれるやろ、ぐらい思ったのが、子供の姿を見た時に、俺が死んでしまったら、この子はどうやって育つんやろう、とかっていう風に感じるようになって。正直練習量は、かなり子供ができる前と今と比べると、減ってます。でもそれも、子供がちっちゃい今の間は、自分の中では子供優先にしよう、と。またある程度子供が大きくなってくれたら、もっぺん練習に100%、注ごうかな、とそんな風に思ってます。

 

◆学生よりお礼のことば
 「講演ありがとうございました。お話で聞いてたとおり、今までの人生を振りかえって、運命が導いたのかもしれませんが、僕は廣道さんのまっすぐな生き方や挑戦する心に感銘を受けて、だからこそ、みんながついて行くんだなと思いました。あと、アスリートと僕達学生は、立場が違いますけど、それでも世界を広げていく廣道さんの姿は、僕たちが見習っていくべき姿だと思いますし、今日の講演を糧に、また先の未来に向かって僕達も進んで行って、大分も日本も、そして世界でも輝いていけるような人間になりたいと思いました。今日は本当にありがとうございました。」

 今日はお話ありがとうございました。私は昨年もボランティアをしてるんですが、この大会に携わることができて、いろいろと障がい者に対する考えが変わったり、車いすマラソンの面白さを感じることができました。そして、廣道さんに会えて、生き方もすごいと思うし、私も真似したい部分もいっぱいあると感じています。今年は3位入賞を狙って頑張ってください。ありがとうございました。