第62回入学式・第44回専攻科入学式を執り行いました

2022.04.05

 

 2022年度入学式を4月5日(火)、執り行いました。今年度も学科ごとに会場を分散し、メイン会場からの中継で式典を行いました。

 音楽科学生による大学賛歌が合唱され、学長から短大に352名(美術科78名、音楽科66名、国際総合学科102名、情報コミュニケーション学科105名)、専攻科には48名(造形専攻26名、音楽専攻22名)の計400名が入学許可されました。

 小手川大助学長は式辞で「失敗を恐れずチャレンジを繰り返し、中身の詰まった2年間を過ごして欲しい」と新入生を激励し、短大と専攻科それぞれの入学生代表が「学則を守り、学生としての本分をつくします」と宣誓しました。

 新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。教職員一同、心から歓迎します。

 

◆◇◆2022年度入学式学長式辞◆◇◆

 大分県立芸術文化短期大学に入学された皆さん、御入学誠におめでとうございます。

 そして、本日はご列席を控えて頂きましたが、ご家族の皆様に対しまして、心からお祝いを申し上げます。

 また、広瀬大分県知事、三浦県議会副議長はじめ、多くのご来賓の皆様には、お忙しい時期にもかかわらずご出席いただき、心から感謝申し上げます。

 さて、今、世界はGNPなどの経済規模を競い合う時代から、どこに住めば一回しかない人生を最高に楽しむことができるか、という時代に入ってきています。そういう目で見ると、日本は圧倒的に世界のトップにあると思います。

 現在日本は、少子高齢化の進展による労働人口の減少などにより、地域共同体の維持が難しくなっているとはいえ、治安もよく、空気も綺麗で、交通の便もよく、美味しい食べ物や温泉などの「癒し」の文化にあふれています。また、それぞれの地域や季節ごとに異なる「マイクロカルチャー」に溢れています。マイクロカルチャーもまた人生を豊かにしてくれるものだと思いますし、大分には、そのような意識が、古くからから存在していたと思われます。

 私もそうですが、一度故郷を離れて別の文化に接してみると、故郷にあるユニークなもの、その長所が見えてくるのです。

 本学は、芸術系と人文系の学科を併せ持つ、大変ユニークな公立短期大学であり、音楽や美術、国際文化、歴史、情報、地域社会など、まさに人々に生きる喜びを与え、暮らしを豊かにするものを、ここで学ぶことができます。

 今年も、全国各地から新入生をお迎えしました。私としては、皆さんが、これからの二年間、あるいは更にその先の二年間、そうした地域の持つ隠れた長所(マイクロカルチャー)に気付く感性を更に磨き上げ、広い視野と芸術文化の知識・技能を持って地域社会を支えていける有為な人材に育つことを願い、教育に当たっていきたいと思います。

 教育に当たる先生方は、専門家として、それぞれの分野において高い知識と能力を有しており、必ず、皆さんの成長を支えてくれるでしょう。

 また、全学科を対象とした選択カリキュラムも充実しています。

 欧米やアジアなど7ヶ国語などから、幅広い教養教育の選択履修を可能としていますし、芸術と観客を結ぶ仕事を系統的に学んでいく「アートマネジメント・プログラム」は、まさに本学の特長を活かした講座です。その他、学生が地域に出向いて活動する「サービスラーニング」など、芸術と文化、社会の中で生きる力となる基礎を学ぶことができます。

 明日からオリエンテーションがはじまり、来週から授業も開始されます。自身の将来をしっかり見据えて準備を進めてください。

 加えて、キャンパスは、芸術系と人文系の学生達が、お互いの垣根を越えて広く学ぶことができるよう大規模にリニューアルされました。

 音楽ホールでの演奏会、芸短ギャラリーでの美術展示会、人文棟大講義室での講演会、芝生広場でのワークショップ開催など、地域の方々を招いての催しも可能となっています。

 学生生活を豊かにする交流を是非進めていただきたいと思います。

 新型コロナウイルスのパンデミックも、やっと終息が見えてきた感がございます。

 この2年、まん延防止のための行動制限など厳しい時期がありましたが、一人ひとりの努力の積み重ねにより、乗り越えることができたのだと思います。一方、未知の感染症との戦いの中で、見直しが進んだものもあります。対策としてのマスク着用やディスタンスの確保は新しい生活様式として定着しましたし、テレワークやオンライン会議などICTやAIの利活用が急速に進み、働き方改革や新たなサービスへの展開も確実に進むと思います。

 人生で最も旺盛に活動できる時期の一部を制限された皆さんではありますが、これからの2年間の経験は、必ずどこかで役に立つと思いますし、気付かないうちに生きていく上で大切な感覚を育んでいると思います。

 皆さんには、本学で更に自らを磨き、どんどん地域社会に出て行き、大きな目標を持ち、自らを高めていくことを期待します。高みを目指し成長する時は、失敗はつきものです。

 これから失敗を恐れずにチャレンジを繰り返し、最高に中身の詰まった2年間を過ごしてください。以上、私からの式辞といたします。

 

令和4年4月5日
大分県立芸術文化短期大学

学長 小手川 大助