高崎山でニホンザルの行動観察実習を行いました

2014.05.14

 

  情報コミュニケーション学科では、「心理学研究法」の授業の一環として、高崎山自然動物園でニホンザルの行動観察を行っています。
高崎山は、日本のサル学発祥の地です。昭和27年に生息する野生のニホンザルの餌付けに成功。翌28年から高崎山自然動物園として開園し、大分市の観光地にもなっています。昨年は、群れ(C群)のボス(αオス)だったベンツのことが、全国的に話題になりました。

  この観察実習の大きな目的は、進化の上でヒト(人間)と近い種であるサルとの比較を通して、ヒトの特性を考えることです。例えば、サルの子育てとヒトの子育ては、どこが同じで、どこが違うのでしょうか? 一口で言えば、子供を守るという点では同じですが、サルのほうがヒトよりも子供の自立を促しています。もし、子が親に「お金を振り込んで!」と電話してきても、親ザルだったら「自分で何とかしなさい」と電話を切ってしまうことでしょう。

  この日はお天気に恵まれ、観察日和。情コミ1年生の約半数59名が参加しました。午前中は、ボスザル“ゾロメ”のいるC群が寄せ場に集まっていました。学生たちは交代で、1頭のサルを選び、10分間ひたすら追いかけながら動画で記録していきます。個体追跡法と言って、多くの行動サンプルを集めるのです。すばしっこいサルを追いかけるのは、結構大変な作業です。そうかと思うと、お昼寝を始め、10分間まったく動かないサルもいたり…。悪戦苦闘しながらの観察実習でした。

  この日の実習はココまで。実習は、翌週以降の授業に続きます。行動サンプルの中から適当な映像を選び、繰り返し見ながら、サルの行動をコトバで描写(記録)します。サルが何をしていたのかを正確に捉えることも学習です。そして、一つ一つの行動を分類しながら、行動の意味を考えます。こうして、サル社会の親子関係や仲間関係、上下関係、そしてコミュニケーションの特徴を探っていきます。