卒業・修了学生にインタビューしました(2)美術科

2015.03.30

 今年度卒業、修了した学生さんの中から、この2年間ないし4年間で優秀な成績を修め、きらりと光る活躍をした方々に学校生活を振り返ってもらいました。芸文短大で経験したことを活かし、新年度への一歩を踏み出す学生さんの軌跡です。2回目は美術科から美術専攻とデザイン専攻の4人です。

 

じっくり考え、彫刻と向き合う
◆河野清楓さん(美術科美術専攻)

 

 彫刻を専門にしています。高校は美術科だったのですが、芸文短大の授業で初めて触れました。とても新鮮で面白い!というのがその時の感想です。試行錯誤しながら形を整える。粘土を足して、減らして。また作る。その制作過程が気に入り、専門的に勉強していくことに。作品は授業時間と放課後、黙々と作り続けますが、半年で2体しか作れません。1体1体にすごくエネルギーがいる作業なのです。考えることが楽しくて、もっと制作に打ち込みたいと思い専攻科に進むことにしました。

 芸文短大では先生が基本をきっちり教えてくれました。そして自分で考える時間も与えられました。そのスタイルが私には合っていたと思います。考える習慣がついたので、今では美術のことを常に考えている自分がいます。

 これから専攻科でも今まで通り創作活動に打ち込みたいです。短大にも専攻科にも素晴らしい作品を作る人がいます。良い刺激になります。

 

人の心をひきつけるデザイン作り
◆大石葉月さん(美術科デザイン専攻ビジュアルデザインコース)

 

 芸文短大での2年間は短い!あっという間でした。まだまだ学ぶことがあるので専攻科に進みます。今年の6月には福岡県で行われる学生のデザイン展に、卒業制作の作品を出品するので春休みも忙しく過ごしています。卒業・修了制作展では多くの人から様々な感想を頂きました。今度は大分を飛び出し、もっと多くの意見が聞けるので楽しみです。

 この2年間は何よりも先生方の存在が私を成長させてくれたと思います。作品を提出すると、直すのではなく良くするためのアクションを気付かせる・考えさせる指導をしてくれました。先生が直すとあっという間のことなのですが、時間をかけてもらえ、ありがたかったです。未熟なので気付かないことばかりなのですが、先生がズバッと指摘してくれました。

 日常はデザインで溢れています。お土産や海外のお菓子のパッケージなど、資料として集めています。「かわいい!」「ステキ!」って思うパッケージの商品を見ると、普段食べないお菓子でもつい買ってしまいます。そういう人の心をひきつけるデザインをどんどん創っていきたいです。

 

将来への基礎となった2年間
◆上尾若菜さん(美術科デザイン専攻メディアデザインコース)

 

 少人数体制で学生がのびのび創作しているところが芸文短大の好きなところです。授業では高校時代まで触れる機会がなかった美術の歴史や運動も学び、面白かったです。いろいろな懇親会の席でも先生に授業の続きのような話を聞きました。最初は知識不足で、先生の話についていけなかったのですが、本を読んだり展覧会へ足を運んだりして勉強しました。

 私が教わった先生は「あめとむち」タイプです。「無難だね」などと、ズバリと批評してくれます。何度挑んでも論破されました。悔しかったですね。でも先生は学生に対してプロ目線で指導してくれていたのです。次の作品で反省が活かされていると、きちんと評価してくれました。この2年間は絶対将来への基礎となっていくと思います。

 私はイラストレーターを目指し専攻科に進学します。これまでのテーマは「見ている人を癒やし 幸せにする絵」です。この2年間で100以上の作品を作りました。これまでの課題を踏まえ、専攻科では表現方法を増やしていこうと思います。この春休みはそのために好きなものを描きためています。また、同じ夢をもつ同級生がいるので、励みになります。ライバルとも言えます。他の学生が褒められていたら、私もそうなるよう頑張るぞって思います。

 

理解しあえる仲間と制作の日々
◆佐々木史織さん(美術科デザイン専攻プロダクトデザインコース)

 

 プロダクトデザインに進むきっかけはちょっとしたことでした。芸文短大に入学して半年、各コースを回りどこに進むか迷っていたころの話です。ふとテレビの料理番組を見ていて思いました。背景にずらっと並べてある調理器具が美しい・・・と。すぐに商品デザインをしてみたくなりコースを決めました。

 授業では外部の先生も来てくれていました。実際の仕事現場にいるような厳しさもあり、鍛えられました。社会のニーズなど、知らなかったことをたくさん教わりました。また、ゼミの友人らとは「仕事の同志」のように親しくなりました。Twitterでお互い制作過程をアップして、励ましたりアドバイスしたり。制作の締め切りの間際はとても苦しいものですが、理解し支え合う仲間ができたので乗り越えることができました。また、卒業制作では先生にたくさん相談しました。

 これから専攻科で勉強を続けます。技術を磨くことはもちろんですが、世間を知る時間も作っていこうと思います。人がどういうものを求めているのか、社会を見てデザインに落とし込めるようになりたいです。