第59回卒業式・第41回専攻科修了式を執り行いました

2021.03.24

 

 第59回卒業式・第41回専攻科修了式を3月19日(金)、本学内において執り行いました。

 美術科80名、音楽科67名、国際総合学科105名、情報コミュニケーション学科106名の計358名に卒業証書・学位記が授与されました。また、専攻科造形専攻22名、音楽専攻21名の計43名に修了証書・学位記が授与されました。

 新型コロナウイルス感染症対策のため、学内中継システムを使い各科に分かれて実施。音楽ホールからの音楽科学生によるオーケストラ演奏が中継され、メイン会場の人文棟大講義室で小手川大助学長が、「これまで得てきた知識、経験を糧に、何事にも自信を持って挑戦し、更に磨きをかけていただきたい」と式辞を述べました。

 卒業生、修了生のみなさん、ご卒業・修了おめでとうございます!


 

第59回卒業式・第41回専攻科修了式 学長式辞

 本日、大分県立芸術文化短期大学を卒業される三百五十八名、また認定専攻科を修了される四十三名の皆さん、誠におめでとうございます。
 また、本日やむなく列席をお控えいただいたご家族の皆様には、これまでご子弟の成長を見守りつつ、学修生活のために本学へのご支援をいただいたことに対し、厚く御礼を申し上げますとともに、教職員を代表しまして、心からお祝いと感謝の気持ちをお伝えしたいと存じます。
 今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、東京オリンピックの延期をはじめ、様々なイベントや行事が、中止、延期を余儀なくされました。日々の暮らしにおいても、マスク着用、手指消毒や換気、ソーシャルディスタンスの確保、移動の制限など、新たな日常への対応が必要となりました。また、旅行や飲食などのサービス業をはじめとする経済活動全体が停滞し、学生の修学の継続、就職活動へ影響を与えるなど、試練の年になりました。
 本学においても、感染拡大防止のため、様々な対策を講じてきました。四月の入学式は、例年と異なり学内で各学科に分散しての開催といたしました。また、緊急事態宣言の発令もあり、授業開始に向けての準備のため五月のゴールデンウィーク明けから授業を開始しました。この間、特に県外からの学生さんには、実家に帰るわけにもいかず、随分と不安な毎日を過ごされたのではないかと心配いたしました。

 また、感染リスクを極力抑えるため、大勢の学生が同時に学内に集まらないオンライン授業を初めて導入しました。教職員が創意工夫した授業、保護者の皆さんの暖かい励ましとご支援、そして学生の皆さんの感染症防止対策のおかげで、感染した学生もなく、本日を迎えることができました。改めて感謝を申し上げたいと思います。

 私が、学長に就任して、この一年間はコロナ禍にあり、本来、学生の皆さんが思い描いたキャンパスライフを十分に送れなかったのではと心配しましたが、卒業・修了制作展や演奏会、卒業論文を拝見し、それぞれ積み上げた成果が十分に発揮されており、たいへん頼もしく、その努力に敬意を表します。

 美術科の制作展では、個性あふれる作品を堂々と制作しており、地域や社会、歴史など細かに情報収集され、それぞれ独創的なアプローチでのデザインやアートを展開、アピールしていました。

 音楽科の演奏会では、心を釘付けにされるほど迫力ある演奏や歌声を聴かせていただきました。特に、二月の定期演奏会では、吹奏楽に合唱、独唱、オーケストラにオペラの一節まで、総力を挙げて難しい楽曲に挑戦し披露した姿には、音楽科の団結力と底力を感じました。

 国際総合学科では、海外大学との積極的な交流、国際車いすマラソン等でのボランティア活動や観光をテーマとした研究等、それぞれ大変熱心に取り組んでいただき、海外に行けない中でも、様々なツールを用い国際交流や世界を知ろうとする姿勢に感服しました。また、中には外国語スピーチコンテストで優秀賞を受賞する学生も出ており、今後、大分地域のグローバルを牽引していく存在に必ずなるだろうと確信いたしました。

 情報コミュニケーション学科では、地域活性化のためのボランティアや人の特性に関することなど、大変興味深い研究・分析を見せていただきました。サービスラーニングでは、海岸清掃ボランティアや集落対策、食育に観光振興支援など、様々な地域課題の調査と解決に向けた取組を中心となり展開し、学科を超えて多くの学生の皆さんが参加していると感じました。これから生きていく上で避けられない、大切な地域社会との共生について積極的に理解を深めているのが分かりました。

 いずれも、コロナ禍に負けないという皆さんの強い気持ちと仲間との協力が相まっての成果ではないかと思います。改めて敬意を表すとともに、今後も是非研究、学修することも継続していただきたいと思います。

 私は、卒業生の皆さんに二つの言葉を伝えたいと思います。一つは、何にでも興味を持ち、リスクを恐れずに自分からぶつかること。二つは、若い時の失敗はつきものなので、失敗しても落ち込まず、「禍福は糾える縄の如し」「人間万事塞翁が馬」の精神を持って行動することです。このコロナ禍もしかり、人間の幸不幸は変転し、予測しがたいものです。将来について悲観的な見方を持ち続けると、ストレスが嵩じて免疫力の低下など健康に悪影響を及ぼします。この際、悲観論は置き忘れ、将来については、明るい楽観論をもって進んでいきましょう。新型コロナウイルスに対する恐怖が収まり、我が国や世界の経済もコロナ前に戻るだけでなく、コロナ禍の停滞をエネルギーに変えて加速し、我々も含め世界中の人々の生活が豊かになっていくのです。

 これから、就職して社会人となる方、大学に編入学する方、海外留学を目指す方、専門学校で新たな資格取得を目指す方など、進む道は様々です。皆さんには、本学を含め、これまで得てきた知識、経験を糧に、何事にも自信を持って挑戦し、更に磨きをかけていただきたいと願っております。人生の中で、今回のように予想できないこと、思いどおりにならないことが起こると思いますが、そのような時にも、強くしなやかに対応できる人であっていただきたいと思います。

 本学は、全てのキャンパスリニューアル工事も完了し、四月一日には、創立六十周年を迎えます。これまで一万六千名を超える方々が、この学び舎を巣立ち、社会で活躍されており、皆さんはその卒業生の仲間入りをします。このことは、これからの人生において大きな勇気と後押しとなることでしょう。

 最後に、皆様方が、本学で修めた多くの知識や技術を更に発展させ、益々健康でご活躍されることをお祈りし、式辞といたします。

 本日は、おめでとうございます。

令和三年三月一十九日
大分県立芸術文化短期大学
学長 小手川 大助