第58回入学式・第40回専攻科入学式を執り行いました

2018.04.10

 

 第58回入学式・第40回専攻科入学式を4月5日(木)、iichiko総合文化センターグランシアタで執り行いました。

 
 今年度は、短大に381名(美術科84名、音楽科68名、国際総合学科115名、情報コミュニケーション学科114名)、専攻科には47名(造形専攻25名、音楽専攻22名)の計428名が入学許可をされました。
 

 大分県の芸術文化発信拠点のひとつであるグランシアタにおいて、期待に満ちた表情の新入生が教職員に迎えられ新たなスタートをきることになりました。

 

 

 開会に先立ち、音楽科の在校生が演奏する真島俊夫作曲「ウェルカム」、宮川成治「J-BEST 桜ソングメドレー」、福田洋介「さくらのうた」、西山知宏「マーチ『春風の通り道』」の吹奏楽で、新入生を歓迎し、新入生たちは先輩たちの迫力ある演奏を熱心に聴き入り、凛とした空気の中で式は進行されました。

 



 中山欽吾学長は式辞で「規模は小さくてもキラキラ輝く宝石のような大学にするためには、皆さん一人ひとりが輝いて光を反射していくことが必要です。大きな目標を持ち、自らを高めていってくれることを期待しています。」と新入生にエールを送りました。

 入学生宣誓では短大と専攻科から代表の学生が登壇し、「学則を守り、学生としての本分をつくします。」と宣誓しました。

  また、広瀬勝貞大分県知事から「高い志を持ち、夢に向かって果敢に挑戦してください。秋の国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭では様々な場面での活躍を楽しみにしています。」と激励の言葉をいただき、一層引き締まった新入生の表情は頼もしいものがありました。
 

 
 新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。教職員一同、心から歓迎します。


 


 

第57回入学式・第39回専攻科入学式学長式辞

 芸術文化短期大学に入学された428名の皆さん、また認定専攻科として第12期生となる47名の皆さん、御入学まことにおめでとうございます。ご臨席いただいた広瀬大分県知事、井上大分県議会議長、工藤大分県教育長、岡本大分県企画振興部長をはじめ、ご来賓の方々、本学役員、教職員とともに、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

 また本式典にご参列下さいましたご家族、関係者の方々には、喜びは如何ばかりかと存じます。心からお祝いを申し上げると同時に、私どもの教育に後援会を通して様々なご助言やご支援をいただくようお願い申し上げる次第です。中には遠路はるばるこの地においでになられた方もいらっしゃると思いますが、ご子弟はこれからこの大分の地で勉学に励むことになります。

 平成27年度から、入学式をここⅰⅰchⅰko総合文化センター・グランシアタで執り行うことにしましたが、それには理由があります。隣接する県立美術館(OPAM)が三年前にオープンし、回廊で結ばれた二つの施設が、「芸術文化ゾーン」と位置付けられ、大分での芸術文化の中心となり、皆さん方が活躍する舞台ともなる場所であるからです。

 さて、新入生の皆さんは、待ちに待った今日の入学式を迎えられ、キャンパス生活への期待と希望に胸を膨らませておられると思います。これからはその期待に違わず、新鮮な気分の中にも、緊張感のある、ワクワクするような毎日になることを約束します。ご家族の方々には、今までの来し方を感慨深く思い起こしていらっしゃることと思いますが、お子さまが大学に入学されると、今までと比較にならないほど独立して自分の道を歩き始めることになります。これからは是非そのことをご理解いただき、温かく見守って下さるようにお願い致します。

  大分県立芸術文化短期大学は、公立大学法人という独立経営を行う組織になっています。大学には芸術系の美術と音楽、人文系の国際総合と情報コミュニケーションの4学科があり、加えて、造形と音楽の分野を有する専攻科から成っています。本学の教育目的には《幅広い教養及び優れた技能を有する人間性豊かな人材を育成し、もって芸術の創造、文化の進展、及び地域社会の発展に寄与する》と唱っているように、専門教育と教養教育をバランスよく受けることができます。教育に当たる先生方は、専門家としてそれぞれの分野において高い専門性を有しており、それぞれの専門性に応じて学生達が少人数で直接学ぶ仕組みがゼミであり、本学では一年次からこのゼミに入ることになります。専門性に裏付けされた学問を、どのように教えるのか計画を作り、講義の要旨等を電子化されてまとめられた授業ガイド、シラバス、その中から皆さんそれぞれが自分の学びたい科目を選んで勉強することになるわけです。

 このことは、社会人になるためにどんな分野を伸ばしたいか、また、どのような資格を取りたいのかといったデザインを、今から自分自身で描くことを意味します。そして、皆さんは早ければ二年間で、あるいは、芸術系の専攻科へ進学の場合には四年間の勉学の後、社会に巣立って行きます。特に短期大学としては、入学した年と卒業する年の二年間しかないので、スタート直後から独り立ちして社会に出て行くということをしっかり意識した勉強を全力投球でやっていかなければなりません。

 しかし、反面この自覚と緊張感が皆さんのキャンパス生活において、真剣かつ充実した毎日を過ごすことに繫がることになると思います。皆さんは各学科のいずれかに所属していますが、それぞれの学科の専門知識や専門技能・技術の習得に加えて、望めば人文系と芸術系の垣根を越えて、もっと広い範囲の学習をする機会もあるということを忘れないでください。これは、芸術系と人文系の学科の学生達がお互いに顔が見える範囲のキャンパスの中でともに学んでいる本学の環境ならではの特権です。

 さらには、教育の重点取り組みの一つとして、様々な機会に学外で活動する体験的学習が用意されています。芸術系では、定期コンサートや小中学校での地域巡回演奏会、ふれあいアート講座、様々な作品展等々、学外に出ての活動は、地域の人たちとのコミュニケーション力を養うために大いに役立つことでしょう。人文系でも実社会で経験を積んでリーダーとなっている方々を招いて行う「地域社会特講」や、学外に出て、社会の中で仕事に取り組む「サービスラーニング」を始めとして、多くの地域活動や社会活動に参加することができます。本学は大分市、由布市、竹田市のほか、文化芸術団体やマスコミ等と友好交流協定を結んでいます。海外では米国、英国、フランス、ニュージーランド、中国、韓国、マレーシアの大学へ、春休みや夏休みなどを利用した語学実習や短期研修を実施しており、毎年数十名の学生が参加しています。現地で実際に生活し、人々と交流することを通しての様々な経験が、学生生活をさらに豊かにしてくれることでしょう。

 専攻科についてもお話ししておく必要があります。芸術系には造形と音楽の二つの分野を有する認定専攻科があります。短大卒業後、更に二年間の研鑽を積み、学士号、つまり四年制大学の卒業資格をとることができます。修了後に他大学の大学院に進学して、さらに修士号を取得した卒業生も生まれています。専攻科に進まれる皆さんにとって、短大と専攻科の合計4年間の勉学は、四年制大学と比較してその集中度において、はるかに勝るものがあります。また、短大卒業後に四年制大学の三年次編入も可能であり、さらに学習を重ねて所期の成果を上げられるよう心から願うものです。

 さて、今、キャンパスでは、建物の老朽化もあって大規模な建物のリニューアルが始まっています。まず芸術系のキャンパスのリニューアルから始まった工事は、すでに最初の芸術デザイン棟が完成し、目下正門横に図書館の建設が進んでおり、今年中に完工を迎えます。今後三年間続く大事業ですが、勿論皆さんのキャンパス生活にできる限り支障のないよう、注意深く工事を進めています。
 
 このリニューアルの目玉は大人数のオーケストラや合唱の稽古ができる十分の広さを保った音楽ホールの新設、キャンパスの南端にある食堂は、キャンパスの中央になるよう、音楽ホールと併設し、人文系の学生や芸術緑丘高校の生徒の皆さんとも、お互いの交流を一層盛んにするための、広々としたギャラリーや交流広場を設けることなどです。完成の暁には見違えるようなキャンパスになる予定です。皆さんのキャンパスライフとリニューアル工事が並行して行なわれますので、皆さんには不便をかけることもあるかと思いますが、どうか、それを乗り越えて、有意義なキャンパスライフを送ってください。

 本学の規模は決して大きくはありません。しかし、私は「小さくてもキラキラ輝く宝石のような大学」にしたいと、言い続けてきました。そうなるためには、皆さん一人ひとりが輝いて、光を反射していくことが必要です。自らを磨き、どんどん地域社会に出て行くことが、大学全体が外に向かってキラキラと輝くことに繫がっていくのです。そこに皆さん一人一人の輝きも是非加えていただきたいものです。そのためには、大きな目標を持ち、自らを高めて行くことが必要ですが、皆さんはきっと先輩達に負けずに実現してくれるでしょう。

 さて、明日からいよいよオリエンテーションが始まり、皆さんは最初に何を、どの先生に教わるのかを決めていくことになり、待ったなしのキャンパス生活が始まります。一日一日を大切に、そして健康に留意して、思う存分にキャンパス生活をエンジョイして下さい。

 

 平成三十年四月五日
 大分県立芸術文化短期大学 学長 中山 欽吾