第58回卒業式・第40回専攻科修了式を行いました

2020.03.26

 3月19日(金)、第58回卒業式・第40回専攻科修了式を行いました。

 今回は新型コロナウィルスの感染拡大等の状況を踏まえ、各学科に分かれての卒業・修了式となりました。

 美術科79名、音楽科68名、国際総合学科106名、情報コミュニケーション学科107名の計359名と専攻科造形専攻23名、音楽専攻22名の計45名に対し、それぞれの学科長から卒業証書・修了証書と学位記が授与されました。

 卒業生、修了生のみなさん、ご卒業・修了おめでとうございます!


◆◇◆ 第58回卒業式・第40回専攻科修了式 学長代行式辞 ◆◇◆

 第58回大分県立芸術文化短期大学卒業式並びに第40回専攻科修了式において、2年間の学修を終え、学位を授与された卒業生、並びに更に2年間の研鑽を積んだ修了証を手にした諸君、誠におめでとうございます。

 新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響により、全体での式典が挙行できなかったことは、非常に残念でなりません。本日ご列席できなかった保護者の皆様には、これまでご子弟の成長を応援していただき、また、本学での学修生活をご支援いただいたことに対し、厚く御礼申し上げますとともに、心よりお祝い申し上げます。

 さて、今日まで諸君は、芸術文化短期大学という枠組みの中で、それぞれ美術科、音楽科、国際総合学科、情報コミュニケーション学科、そして専攻科という共同体で勉学を励んできました。コースやゼミは違っていても、皆同じく知識や技術を習得するという方向に流れが進んでいたと思います。ただ、これからは一人一人が選択した職や勉学の道に進み、かつて経験したことのないスピードが流れる社会に飛び込んでいきます。

 社会の最前線に立つ卒業生を前に、中山欽吾前学長は、常々「頭の中の引き出しを多く持つ」ということをお話になりました。何事にも興味を持って、大学の授業だけではなく、小・中・高で学んできたことをベースとし、そこから教養の幅、すなわち頭の引き出しを増やしていくということです。

 私はかつてドイツに留学していました。皆と会話する中で、自国について正確に話すことができず悔しい思いをした記憶があります。その時に、音楽や語学だけでなく、もっと自らのコミュニティについて深く学んでおけば良かったと痛感しました。コミュニケーションが大切とよく言われますが、単に外国語ができる、聞くだけ、話すだけでは役に立たないのです。 

 相手が関心を寄せる話題を身に付けるには、まず自国、自県の歴史や伝統、慣習に関心を持ち、文化や芸術を理解し語る力を身につける必要があります。次に、他国の文化や歴史を学び、理解し、異なる価値観や考え、多様性を受け入れることが大切になります。

 社会に出れば、学びの場に溢れています。沢山吸収できる事柄があり、それらに気付き、興味を持ち、学び、疑問を持つことを意識してください。試行錯誤して出した答えは、これまでに得た知識と方法が組み合わさって定着し、決して忘れることはありません。そして、異なる考え方や価値観を受け入れる柔軟性も養われていくことでしょう。

 芸術系と人文系の学科を併せ持つ本学において、幅広い分野にわたる教育を受け、また、自らが地域や世界に出向き・交流し・活力を与える”地域貢献活動”に取り組んできた諸君らは、既に地域社会の発展に寄与する基礎的な教養と技能は身につけているはずです。卒業してからも、興味を持って学ぶことを継続してください。機会を逃さず、挑戦し、たとえ失敗したとしても、そこから学び、それが経験となります。

 我々教職員は、全力で諸君の背中を押していきます。芸文短大で過ごした年月、身に付けた教養と技能を自信の源とし、これからの人生を開拓していってください。

 皆さんが、芸術と文化で周囲を豊かにし、地域創生や国際社会に寄与できる人間へと成長することを願っています。

 

令和2年3月19日

大分県立芸術文化短期大学  

理事長兼学長代行 清水万敬