ようを+アートプロジェクトシンポジウム「トイレ、わたし/みんな、アート」を開催しました

2014.11.05

 

 11月1日、iichiko総合文化センターアトリウムプラザにて、ようを+アートプロジェクトシンポジウム「トイレ、わたし/みんな、アート」を開催しました。

 平成27年夏に開催される、大分市中心市街地のトイレを舞台にしたアートフェスティバル「おおいたトイレンナーレ」のプレイベントとして実施してきたこの「ようを+アートプロジェクト」(本学美術科メディアデザイン於保研究室で企画監修)は、「変身!トイレ!!」「イズミ博覧会」、そしてシンポジウム「トイレ、わたし/みんな、アート」の3つのプログラムで展開してきました。

 シンポジウムでは、大分大学教育福祉科学部准教授 田中修二氏をモデレーターとしてお招きし、「変身!トイレ!!」で作品づくりに参加した大分大学附属小学校から代表して松田絢資くん、坂本心実さん、松平理紗子さんの3名と、このプロジェクトに参加した本学専攻科造形専攻と美術科の田中愛理さん、森山楓さん、藤岡さくらさんが“トイレとアート”について意見交換を行いました。

 作品について、小学生らは「大好きなキャラクターを使おうと思ったけど、そのままだとダメだと知ったので、手を加えて工夫した」「小さい頃の夢だった“空を飛ぶ”ことをイメージして、自由自在に動けて、キレイに見えるクラゲを気球に見立てた」「海をイメージして水色を使った」と語りました。

 「変身!トイレ!!」で指導を行ったともひろかなこ先生は、「授業時間内で制作という約束だったけど、昼休みや中休みまで制作したい!という生徒たちもいました。明るい、怖い、面白い、不思議、さまざまな作品があるのでゆっくり時間をかけてみて欲しいと思います。みんなもよく頑張りました。ハナマルです!」と、子どもたちのアイデア溢れる作品と頑張りに感動した様子でした。

 また、今回の“トイレアート”作品を作る上で欠かせないマルセル・デュシャンの「泉」に関して生徒たちに講義を行った田中修二氏は、「トイレを組み立てる作業にはプロセスがあるので、その通りにすれば同じトイレができるが、装飾は完全にオリジナルが出るもの。作業を楽しんでいる子、苦しんでいる子とさまざまだが、個々の作品を見ると、苦しんでいた子も最終的には素晴らしい作品に仕上がっていて、世界に一つしかないアート作品に仕上がったと思います。短い制作時間の中で悩みながらも、最終的には素敵な作品になっていて、感動しました」と感想を述べました。

 本学学生たちも、個性あふれる作品の数々と、しっかりと考えを持って自分の作品についてPRを行う小学生たちに良い刺激を受けたようでした。

 これまで“汚い・くさい”とマイナスイメージの多かったトイレという存在が、この「ようを+アートプロジェクト」というイベントにより、イメージが変わったのではないかと思います。平成27年の「おおいたトイレンナーレ」に向け、ますます“トイレ=アート”が盛り上がっていけばと思います。