本学の留学生 晏佳雯さんがスピーチコンテストで優秀賞を獲得しました

2014.12.08

 11月15日にホルトホールおおいたで開催された留学生によるスピーチコンテスト「OITA学生提言フェスタ」で、本学の留学生 晏佳雯(あんかぶん)さんが、優秀賞を獲得しました。

 晏さんは、今年の4月から中国 武漢市にある江漢大学から本学に留学しており、周鳴准教授のもと、中国で行われる「大学日本語学科専攻生試験4級」(中国教育部主催)と「日本語能力試験N1」(国際交流基金と日本国際教育支援協会主催)の資格取得をはじめ、国際総合学科での授業のほか、学生たちと交流を深めながら、日本の習慣や文化なども身につけるなどして勉学に励んでいます。

 スピーチでは、晏さんが電車での通学途中に感じた出来事を取り上げました。空席があるのに座らない光景を不思議に思い、調べていくにつれ「安心距離」という言葉を知り、改めて日本と中国の文化の違いを感じたそうです。

 優秀賞受賞の報告を本学 中山学長に行った晏さんは、「自分が受賞できるとは思っていませんでした。でも、とても嬉しいです。今回受賞できたのは、丁寧に指導して下さった国際総合学科の先生方のおかげだと思います。これからも頑張ります」と話しました。

      

 

安心距離
 皆さん、こんにちは。私は中国・武漢市の江漢大学の学生で、現在、大分県立芸術文化短期大学に留学している晏佳雯と申します。今日は、日本に来て気づいた、ちょっとした中国と日本の違いについてお話しします。よろしくお願いいたします。
 私は、5人の留学生と一緒に、大分大学近くの県営住宅に住んでいます。大分駅まで電車で行き、駅からは徒歩で通学していますが、電車に乗るたびに不思議に思うことがありました。それは、電車やバスに空席があっても、誰も座ろうとしないことです。中国では、バスでも地下鉄でも、いったん席が空いたら、すぐに誰かが席に着くのが普通です。ですが、日本では、ひとり分のスペースがあるのに、立っている人がたくさんいることがよくあります。
 なぜだろう、という疑問を持ち、日本人の友人に聞いてみましたが、あまりはっきりとした答えがもらえませんでした。そこで、インターネットで調べてみると、「安心距離」という言葉に出会いました。皆さんは「安心距離」というのをご存じですか? これは、他人との間にその距離があれば安心できるという、対人距離のことです。日本では相手によって異なり、初対面で1メートル、友人で70センチ、家族で50センチぐらいが安心距離のようです。私の印象ですが、男性に対する女性の安心距離は、さらに長くなると思います。
 そうです。電車に空席があっても、となりの人に少しスペースを譲ってもらわないと、安心距離が確保できなくて、座れないのです。無理をして座ると、自分も相手も、安心できず、隣を意識してしまいます。だから、遠慮して立ってしまうのではないでしょうか。自分が少し不便を感じても、相手に迷惑をかけないために立つという、日本人の優しさが感じられますが、一方で、知らない人とコミュニケーションを取るのが苦手な日本人の一面も見えてきます。
 中国と日本とでは、人口の規模も、人との接し方も違います。日本人も知らない人同士で言葉を、挨拶したりすることはありますが、会話が深まることはありません。一方、中国では遠慮なくいろいろな話をします。日本の文化は、内と外をはっきり分ける文化だと言われているように、自分の身内以外とは表面的な付き合いしかしないのかもしれません。私は、日本に来て、はじめて自分たちの安心距離を意識しました。私たち留学生が、日本人の安心距離以上に近づけば、不安や、あるいは変な誤解を与えることになりかねませんので、日本の習慣や文化をきちんと理解しなければなりません。
 ですが、日本人はもっと安心距離を縮めてもよいのでは、とも思います。皆さんは、NHKの朝の連続ドラマ「マッサン」を観ていますか? スコットランド人のエリーが日本に来ると、スコットランドではハグしてくれた日本人のマッサンが、人の目を気にして、全然ハグしてくれなくなります。大正時代の話ですから仕方ありませんが、現在はどうでしょうか? 日本愛妻家協会が、「愛妻の日」に夫婦でハグをするためのマットを作っています。足の形が書かれたマットに立つと、二人がちょうどハグしやすい位置に立つことになるそうです。安心距離はまだまだ遠いようです。
 私たち留学生は、日本人との距離が近づくことを願っています。安心距離というのは、実際の距離だけではありません。心の安心距離も縮めていきたいと思っています。日本の皆さんも、留学生を見かけたら、心の安心距離をぐっと縮めてみてくださいね。
 以上です。ご静聴ありがとうございました。