第55回入学式・第37回専攻科入学式を執り行いました

2015.04.02

 

 第55回入学式・第37回専攻科入学式を4月2日(木)、iichiko総合文化センターグランシアタで執り行いました。

 今年度は短大に378名(美術科80名、音楽科48名、国際総合学科116名、情報コミュニケーション学科134名)、専攻科には51名(造形専攻27名、音楽専攻24名)の計429名が入学しました。

 大分の芸術文化発信拠点の一つであるグランシアタでの式に、新入生、教職員とも決意新たなスタートとなりました。会場では新入生を歓迎して、在校生が「サクラトリロジー」(桜/コブクロ~さくら〈独唱〉/森山直太朗~桜/河口恭吾)とショスタコービッチ作曲「祝典序曲」を吹奏楽で演奏。コンサートのような雰囲気に、演奏後に保護者らからあたたかい拍手をいただきました。

 中山欽吾学長は式辞で「新入生のみなさんは今までと比較にならないほど独立して自分の道を歩き始めることになります。明日に向かって、待ったなしの毎日が始まります。しかし私は信じています、みなさんのパワーを」と新入生にエールを送りました。入学生宣誓では短大代表の德久葵さん(音楽科ピアノコース)と専攻科代表の興梠華菜さん(造形専攻ビジュアルデザイン)が登壇。学則を守り、学生としての本分をつくすことを宣誓しました。

 知事告辞では代理の二日市具正副知事が「高い志を持ち、失敗をおそれず、自分自身を高めてください。そして、相手を思いやる、自愛にあふれる人として大きく成長してください」と激励しました。また、4月24日(金)の県立美術館(OPAM)開館に触れ、大分の芸術文化振興と地域発展を担う若い力に期待を寄せました。


新入生のみなさん、入学おめでとうございます。教職員一同、心から歓迎します。

 

第55回入学式・第37回専攻科入学式 学長式辞

 

 

 芸術文化短期大学に入学された378名の皆さん、また認定専攻科の第六期生 となる51名の皆さん、御入学まことにおめでとうございます。ご臨席いただいた二日市大分県副知事、桜木大分県議会副議長ほか、ご来賓の方々、本学役員、教職員とともに、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

 また本式典にご参列下さいました皆さんのご家族、関係者の方々も、喜びは如何ばかりかと存じます。心からお祝いを申し上げる次第です。

 本日、ここ総合文化センター・グランシアタで入学式を執り行うことにしたのには理由があります。隣には今月24日にオープンする県立美術館(OPAM)の輝かしい建物が目に入ったと思います。この二つの施設が、芸術文化ゾーンとして、大分での芸術文化の中心地『知のアリーナ』とも言うべきもので、また皆さん方が活躍する舞台ともなる場所なのです。新しい美術館では、世界で一級の作品や日本でも国宝級の作品を間近にみることができますし、美術科の皆さんにとっては自分たちの作品発表の場ともなります。また、ここグランシアタや音の泉ホールでは一級のオペラやバレエ、オーケストラなどが鑑賞できますし、音楽科の皆さんにとっては自分たちの演奏会場ともなります。すなわち、ここが皆さん方の第二のキャンパスとなるのです。今、大分で最も輝いている、この場所において、皆さん方の大学生活の第一歩をお祝いしたいと考えた次第であります。

  新入生の皆さんは、入学式を迎えてこれから進もうとする道に対する希望と期待に胸を膨らませておられると思います。殆どの学生諸君は在学中に成人式を迎え、大人としての自覚を持った頼もしい姿へ変わっていく、大切な時期をこの学舎で過ごして頂くこととなります。ただ、入学した年と卒業する年しかない短期大学では、新入生の皆さんは早ければ2年後には、社会に巣立って行かなくてはなりません。つまり、スタート直後から社会に出て行くことを意識した学習を全力投球でやっていかなければならないのです。ですから、大学に入学すると、今までと比較にならないほど独立して自分の道を歩き始めることになりますので、ご家族の皆様には、これから始まる独立に向けた努力を温かく見守って下さるようにお願いしたいと思います。

 さて、本学は、人文系として国際総合と情報コミュニケーション、芸術系として美術と音楽の4学科、造形と音楽の二つの専攻科から成っています。それぞれ学科の特徴ある専門知識や専門技術・技能の習得が基本でありますが、望めばもっと広い範囲の学習をする機会もあるということを忘れないでください。また、学友会やサークルの活動を通じて人文系と芸術系の学生同士の交流も始まります。異なる環境の中で交流をしながら共に学習できるという、本学ならではの特色を活かすことができるのです。 

 また、教育の重点の一つとして、様々な機会に学外で活動する経験が用意されています。地域社会特講という実社会で経験を積んでリーダーとなっている方々を招いて行う特別講義もあり、予備知識を持った上で学外に出て実地で実習する活動は、地域の人たちとのコミュニケーション力を養うために大いに役立つでしょう。本学には海外への短期留学制度もあって、お隣の中国、韓国のほか、米国、英国、フランス、ニュージーランドでも、多くの学生達が国際的な交流の機会を含む有意義で充実した研修をしています。こうした様々な経験が、あなたたちを大きく成長させていくことでしょう。

 一方、皆さんが学ぶこの大学は、常に将来を見据えて変革を行っています。美術科デザイン専攻では、コースの見直しを進め、「ヴィジュアル」、「メディア」、「プロダクト」の3コースを設定したこと、国際総合学科でも、「国際コミュニケーション」、「観光マネジメント」、「現代キャリア」の三つのコースを設定して、自分の将来像を視野に入れながら学習を行う学科へと進化しました。更には、情報コミュニケーション学科も、今年度から三つのコース制を敷くことになります。心と体のバランスを考える「心理・スポーツコース」、社会の変化とその問題点を社会学の視点で考え、家族・地域・職場といった身近な現場に即して具体的に学んでいく「地域ビジネスコース」、高度情報化をふまえ、情報科学とメディアの壁をとりはらった教育を行う「情報メディアコース」です。いずれの学科も、そこに入学したらどのようなスキルを身につけることができるのかということが、コース名からはっきりと理解できる仕組みにしたことが、重要なポイントです。

 さらに、設備面つまりハード面でも大きなプロジェクトを立案中です。教育環境の一層の改善を目指して、老朽化した芸術系の施設を逐次リニューアルしていくという大規模なキャンパス改造計画です。社会の変化が進む中で、本学がより魅力的であるには、常にベストな方向を目指して改革を進めていかねばならないのです。

専攻科についてもお話ししましょう。芸術系の学科には造形と音楽の認定専攻科があります。短大卒業後更に2年間の研鑽を行って、学士号をとることができ、四年制大学の大学院に合格した方も増えつつあります。今回専攻科に進まれる皆さんにとって、短大と認定専攻科の合計4年の勉学は、四年制大学を漫然と過ごすのに比較してその集中度においてはるかに勝るものです。一旦卒業することでそれまでの学習を自分のベースとした上で、一層の専門性獲得のために専攻科で上乗せして学習する仕組みは、緊張感に富み、学生の意識を高め所期の成果を挙げることができるでしょう。 

 最後に、本学の将来をどう考えているのかを申し上げましょう。本学の規模は決して大きくはありませんが、宝石は小粒でもキラリと光るように、本学もキラキラ輝く大学にしていきたいと考えています。輝くためには、そのもの自体がよい品質であるだけでなく、中に入ってきた光が外に向かって反射して出て行かなくてはなりません。皆さんと力を合わせて、この大学から外に向かって強い光を出すことで、周囲の方々から「この大学で学んでよかったね」と言われるよう、努力をして行きたいと念じています。どうか皆さん、私と一緒になって頑張っていこうではありませんか。

 さて、いよいよ来週早々からオリエンテーションが始まり、皆さんは最初に何を、どの先生に教わるのかを決めていく作業に入ります。明日に向かって、待ったなしの毎日が始まります。しかし私は信じています、皆さんのパワーを、そして好奇心一杯の眼を。

平成27年4月2日 
大分県立芸術文化短期大学 学長 中山 欽吾