学生による事業計画発表会を開催

2016.02.15

 

 情報コミュニケーション学科の「社会起業論」では、社会をフィールドとした起業とは何かをテーマに講義展開しています。

 この講義は、これまでの一般的な受身型の講義スタイルでなく、学んだ知識を基に自分で考え、形(ここでは、事業計画書)にするといったアクション型の講義スタイルを用いています。特に、これまでの学校教育(小中学校及び普通科高校)では、マネー(お金)に関するテーマは、タブー視されることが多かったように思います。しかし、「起業」を考える場合、欠かすことが出来ないのが、資金という「お金」との関係です。学生にとっては、日頃考える機会の少ない「起業」や「資金」、さらにはお金を増やすことの難しさについて事業計画書を通じて考えさせられたと思います。

 この講義では、このようなリアルな現場と起業の関係についての知識を習得するために三井住友銀行大分支店長の和田友宏氏をお招きし、起業の醍醐味と厳しさを学びました。

 今回の講義は、全15回の講義の集大成として学生個人が、それぞれに「事業計画書」を作成しました。また、この講義の単位認定試験(1月30日【土】)として、本物の銀行員(和田支店長)を前に融資をお願いするという場面設定で、事業計画発表会を開催しました。

 今回は、社会起業という観点から社会の問題解決型起業、社会貢献型起業に着目し、そのための視方・捉え方と考え方、実現の可能性の三点から発想力と企画力に重点を置いた評価を行いました。

 1年生18人が、1人10分の発表(自身の事業計画を7分で発表+3分間の質疑応答)をしました。社会問題の捉え方と解決方法に関して、それぞれに発想が面白いものばかりでした。中には、時間が足りず肝心の「お金」の説明ができなかったり、起業内容に社会的意義が見えにくいと、きっぱり指摘されたりと、学生たちは何をどう話すべきなのか、伝えることの難しさを実感しました。

 和田支店長は「半年の間でこれだけの事業計画ができたのに驚きました。発想の着眼点が面白く、楽しかったです」と学生たちをねぎらいました。担当の竹内裕二准教授は「この一ヶ月、事業計画書作成の大詰め段階で涙を流す人もいました。人に伝えることがどれだけ難しいか、今回体験したと思います。これからの時代は、自分を売り込むことが大切であり、その技術を体得していかなくてはなりません。今回の経験が、例えば就職活動の際の生き残り:面接の2次試験以降で、この力は生かされます。私は当初、この講義を通して、一人ひとりが、自分の力量に応じて、先を通す力を育み、結果として社会に負けない人に育ってもらいたいと思ってこの講義を開講しました。私の想いは、あなたたちへ伝わり、学生一人ひとりが確実に力を付けていっていることを今日の発表会で確認することができました」と発表を終えた学生たちにエールを送りました。 
 

 

事業計画発表リスト

・行政改革型イラストレーター育成事業 /庄司真人
・アパレルセレクトショップ事業計画書 /富澤大和
・メンタルケアテレフォンサロン事業計画書 /阿部りな
・インパクトファッションリメイク事業計画書 /伊東奈津美
・地域密着型デイサービス事業計画書 /川野美咲
・和風ラッピング事業計画書 /渡辺ひかり
・コンサート専門マネジメント会社事業計画書 /渡邉りさ
・アットホームBAR事業計画書 /小野桃
・地元素材にこだわったパン・ケーキ事業計画書 /石田真彩
・社会人の食(職)をサポート!事業計画書 /竹中梓
・観光地個人ベーカリー店事業計画書 /秦愛祐美
・癒しの猫カフェ事業計画書 /日隈祐希
・ユース育成型地域再生支援事業計画書 /甲斐千佳子
・夜間託児所事業計画書 /加藤朋子
・子育てサポート事業計画書 /幸穂乃花
・地元の若者人材育成事業計画書 /川野栞利
・着地型観光地活性化のための外国の食品販売事業計画書 /櫻井翔太
・デュアルモニタールーム事業計画書 /柴尾友衣

和田支店長による講評例

「地域密着型デイサービス事業計画」:中身がよく分析されています。
「コンサート専門マネジメント会社事業計画」:熱意を感じました。既存のサービスで不足している部分に着眼した計画書です。
「夜間託児所事業計画」:オーディエンスの目を見て話していたことを評価します。発表にインパクトがありました。