「日本の伝統文化」で“古事記に親しむ講演会”を実施しました

2014.07.31

 

 
  7月29日、国際総合学科の専門教育科目「日本の伝統文化」で、“古事記に親しむ講演会”を実施しました。
  「日本の伝統文化」(担当教員:篠﨑大司 別府大学准教授)は、日本や本学の伝統文化を学生が主体となって調査し、実地見学やグループディスカッションを通じて、文化に対する学生間の相互理解やその背景をなす歴史・社会を深く学ぶことを目的とした授業です。

  この日は外部から森北実さんと後藤像二さんを講師にお招きし、古事記について語っていただきました。

 森さんは本学の卒業生で、現在、別府市内で株式会社クリエイツの専務取締役として就業する傍ら、「ママキッズコンサート」や子ども病院支援のためのチャリティーバザールを開催するなど、子育て支援などにも尽力されています。一方、後藤さんは大阪芸術大学を卒業後、長年にわたり『銀座 美術画廊』で画商・専務取締役を務められた後、マークエステル画伯の作品に魅せられ後援会を設立、彼の作品を広く周知するため、さまざまな活動を行っています。

 授業では、マークエステル画伯が描いた古事記の絵をスクリーンに映し出しながら、森さんがそのストーリーを読み語りました。“古事記”というと少し難しいイメージがありますが、マークエステル画伯の美しい絵と、心地よい音楽にのせた森さんの語りは、“目と耳で古事記を感じる”ことができ、学生たちも古事記の世界に飲み込まれているようでした。

 また、後藤さんはマークエステル画伯との出会いや古事記の歴史について語り、正月や桃の節句といった年中行事が古事記の中でも綴られていたり、歌舞伎は古事記を題材にしたものが多いことなど、1300年以上経った現在でも、とても身近なものであるということを伝えました。そして最後に、これから将来、海外の方々と接する上で、日本や自分はどういった立ち位置にいるのかということを理解し、アイデンティティーを活用することで世界で活躍できる人材になる、今回の授業をきっかけに、日本のこれまで培ってきた歴史を勉強してほしい。と学生たちにエールを送りました。

 今回は、普段あまり触れる機会のない“古事記”について、その奥深さと現在に引き継がれている大切なメッセージを受け取ることができる授業となりました。

 

 【マークエステル画伯】
1943年、パリに生まれる。京都清水寺で見た水墨画に魅了され、当時外交官だった職を離れ画家の道へ。水墨画の“にじみ”を油絵で表現するなど独特の技法を生み出し、「日本神話」を題材とした制作活動を続け、伊勢神宮や出雲大社、高千穂神社、宇佐神宮など100余ヶ所の神社に絵画を奉納している。また、絵本「日本神話」も発行した。
マークエステル公式サイト