留学生 胡芷芊さんが日本語スピーチコンテストで最優秀賞を受賞しました!

2019.11.06

 

 10月26日(土)、コンパルホールで開催された「OITA学生提言フェスタ~留学生による日本語スピーチコンテスト」において、本学国際総合学科の留学生・胡芷芊(こ・しせん)さんが最優秀賞を受賞しました。

 胡さんは、本学と提携している中国・武漢市の江漢大学から本学に留学中の6名の留学生のうちの一人です。来日して7カ月ほどですが、スピーチコンテストでは、流暢な日本語と素晴らしい文章構成で発表し、見事受賞となりました。

 スピーチは「日本の鉄道文化-中国との比較から」というテーマで中国と日本の鉄道文化の違いについて調べ、交通、観光、娯楽の観点から、具体例を用いてその違いや理由について発表しました。


 

 胡さんのスピーチの内容は以下のとおりです。

日本の鉄道文化-中国との比較から

 皆さま、初めまして。私は、胡芷芊と申します。
中国の武漢市・江漢大学の学生で、現在、大分県立芸術文化短期大学で留学しています。毎日電車で通学していますが、電車に乗っていると、日本と中国の鉄道文化において、多くの相違点があることに気づきました。鉄道が好きな私は、今日は、日本の鉄道文化について、中国との比較の観点から、考えたこと、思ったことをお話したいと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。

 日本に来る前に、自分の中で鉄道というものは、ただゴールデンウィークの旅行や春節の帰省時の交通手段でしかありませんでした。しかし、日本の鉄道を利用して、鉄道に対する考え方が変わりました。日本の鉄道は、交通、観光、娯楽、ひいては芸術文化を一体化した、乗客に心身快適な体験を提供する総合産業だとわかったのです。例えば、旅行に行きたいとき、普通列車を選ぶことも、特急観光列車のチケットを購入することもできます。九州だけでも、十五種類の観光列車があるそうです。また、車内の施設やサービスはもちろんのこと、各列車の外観も新鮮です。例えば「ゆふいんの森」という列車は、その名のように森のような緑色の塗装を採用しており、走行経路も森に囲まれています。沿道の風景を最大限度に楽しむために、この列車は眺望のよい、ハイデッカータイプになっており、車両をつなぐ連結部分もブリッジで結ばれています。これによりお客様に印象的でフレッシュな体験をしていただくことができるのではないかと思います。中国人の私が初めてそれを見たとき、すごく感動を覚えました。なぜなら中国にはこのような列車はあまりないからです。近年の中国の列車はスピード向上だけを重視しているように感じます。

 また、列車の旅は食事も大事です。中国の列車の中でも食事はできますが、インスタントラーメンや普通の弁当しかないようです。しかし、日本では、多彩な駅弁があります。おにぎりから高級和牛弁当まで、日本の駅弁は5000種類をも超えているそうです。駅弁は現地の旬の食材で作ったものが多く、弁当箱も特色があり、少し高くても納得できます。窓の外の風景を眺めながら、その風景に合う料理を味わうことができるというのも、旅の醍醐味の一つだと思います。

 また、中国では、辺鄙な山村では鉄道が開通していないことが多いのですが、日本は「鉄道の国」と呼ばれるほど、僻地にも鉄道が入り込み、利用者に利便性を提供しています。数年前に北海道の旧白滝駅が閉鎖されようとしたときに、ここの電車に乗って通学する高校生がいたことが理由で、一人の高校生のために、その高校生が卒業するまで、閉鎖が延期されました。この事を聞いて、私はとても感動しました。中国では、おそらくこのようなことはしないでしょう。

 では、なぜ日中間の鉄道文化に上記のような相違点があるのでしょうか。私は、鉄道会社の運営の仕方に差があるからだと考えます。日本の鉄道は民営化されており、客を喜ばせ、競争力を高めるに様々な工夫をしています。一方、中国の鉄道は、ほぼすべて国営であり、ライバルがいないため、輸送の効率こそ向上したものの、客を喜ばせるための創意工夫、いわゆる「おもてなしの精神」がまだまだ不十分のように思います。もし中国も日本の鉄道文化を参考に、自分の魅力をより高めることができれば、中国人ももっと鉄道を選んで外出し、鉄道をより愛し、中国の鉄道産業もより発展することでしょう。

 「まもなく、列車が参ります。」百聞は一見に如かず、皆さんも電車に乗って、毎日を楽しく過ごしていきましょう。

 私のスピーチは以上です。ご清聴ありがとうございました。

 

◆◇◆本学と江漢大学は2009年に交流協定を結んでいます!◆◇

 毎年、音楽や美術の交流企画が行われるほか、江漢大学から交換留学生が1年間大分市に滞在しながら国際総合学科の学生とともに勉強しています。本学からも、江漢大学での海外実習のほかに1年間の交換留学が可能であり、中国語をはじめ、中国の文化や歴史などを現地で学ぶことができます。