「大分の観光と文化」で県の国際交流員による講義を行いました

2018.05.24

 

 5月22日(火)、国際総合学科の授業「大分の観光と文化」に大分県庁で国際交流員を務めるセーラ・バックレイさん(大分県庁企画振興部 ラグビーワールドカップ2019推進課所属)を講師にお招きし、母国イギリスと、外国人から見た大分の観光と文化について講演いただきました。


 ロンドンご出身のセーラさんからは、イギリスが4つの国からなること、その4つの国にはそれぞれ少数言語があり、地方政府が置かれていることなどの説明がありました。中でもセーラさんが大学生時代に過ごしたスコットランドの名物やハリーポッター生誕の地の紹介には、学生達も特に興味深く耳を傾けていました。

 セーラさんは昨年の7月にエディンバラ大学を卒業し、翌8月に国際交流員として大分に来ることになり、その時に初めて大分県のことを知ったとのことでした。インターネットで大分について調べると、ロンドンと比べて田舎であること、気温と湿度が高いこと、イギリスではあまりなじみのない温泉がたくさんあり、”Hell(地獄)”という単語がたくさん出てきたことで、少し不安になったそうです。

 しかし実際に大分で過ごしてみると、たくさんの魅力に気付き、中でも大分市内は都会と田舎のバランスが良く、中心部からすぐに田舎があることがロンドン出身のセーラさんには魅力的に感じたそうです。

 大分の一番の魅力は温泉が豊富なこと。イギリス人のほとんどが温泉を経験したことがなく、人前で裸になることや、他人と同じ浴槽に入ることに抵抗を感じる人が多いそうですが、水着で入浴でき、家族風呂があり、そして大分の温泉にはたくさんの泉質があることをアピールすれば、きっとみんな温泉に入りたくなるはず!と提案されました。他にも野生の猿とふれあえる高崎山や、まるで映画のセットのような臼杵城下町と、外国人が魅力を感じるスポットが県内各地には数多くあり、これからは直接体験できる様々なツアーの造成が必要だとの提案がありました。
 

 最後に、大分県内には車でしかアクセスできない観光スポットが多く、公共交通機関を充実させる必要があり、イベント時には必要に応じたツアーバスを運行することや、街中に英語情報が少なく、飲食店のメニューやイベント情報の英語表記の必要性を強調されていました。特にイベント情報は、大分県内ではいつも様々なイベントが開催されているのに、英語情報がないために興味があっても気づいていない外国人は多いそうです。ホームページやアプリ内で英語情報を充実させれば、外国人の観光客はきっと増えるはず、とセーラさんは力説されていました。

 学生たちは、同世代のセーラさんの冷静な観察に深く納得した様子でした。国際総合学科では県内で開催される国際的なイベントにボランティア活動で数多く参加しています。2019年のラグビーワールドカップ大分大会でも、大会ボランティアスタッフを募集するそうです。今回のセーラさんの提案を一つでも多く実現できることを期待しています。