羅漢寺 住民参加による参道整備への道(1)

2015.10.08

 情報コミュニケーション学科の竹内ゼミ(今後名称改め、地域総合連携研究室【地総研】)では「羅漢寺 参道整備プロジェクト」を始めています。

 羅漢寺(中津市耶馬溪)は日本三大五百羅漢の一つに数えられる五百羅漢が鎮座し、大化元年(645年)に始まったとされる古刹です。NHKの「ゆくとし くるとし」に放映されたこともあります。2014年8月、その「羅漢寺石仏」が国の重要文化財に指定されました。今年8月には羅漢寺参道が中津市の史跡指定も受け、地域にとって必要不可欠なランドマークとなっています。

 ところが江戸時代に整備された参道は長期間放置され、荒れた状態となっています。かつては200~300人の僧侶がいて、維持されてきた羅漢寺。この地域の現状は、より一層の都市化が進むと同時に、少子高齢化などで地域住民が減少し整備が行き届かなくなっています。そんな現状を知った地総研は、あじさいを植樹して参道を整備する計画を立てました。準備は、7月から始まっています。

 プロジェクトでは、羅漢寺周辺の住民や多くの県民の協力を得て、持続可能な環境整備の仕組み作りを学生主体で画策しています。あじさい移植は来年5月を予定。本HPでは不定期で活動を紹介していきます。

 

◆活動報告◆


 7月、あじさいの挿し木を本学周辺の住民の皆さんに分けていただきました。その数1000本!そして、鉢代わりとなる使用済みペットボトルも集めました。それから現在は育成中です。研究室のベランダではこの夏の暑さを乗り切ったあじさいたちがすくすくと育っています。地域住民の皆さんにも鉢を渡して育ててもらっています。


 【KEY WORD】

 ・あじさいの挿し木
 

種や苗を買ってくるのではなく、近隣の住民の皆さんから枝を分けてもらっています。手をかける理由は、多くの人が携わることで活動に参加する機会を作るという点で重要です。この頃では、近隣の方々と「あじさい どうですか?」と共通の話題ができて、つながりが生まれつつあります。

 
 ・鉢にペットボトル
 

学生とその家族の飲み終わったペットボトルを回収して鉢を作りました。当然こちらも1000本!資材をリサイクルする心を育てていきたいと竹内准教授は話します。


<写真下:8月、すくすくと成長。水遣りに苦心>
 

 


<写真下:9・10月、暑さを乗り切って幹が太くなってきました>
 



 【今後の予定】
 11月7日(土) 学生による現地視察予定



◆羅漢寺について
延文4年(1359年)。逆流建順(ぎゃくりゅうけんじゅん)という僧がこの地を訪れ、円龕昭覚(えんがんしょうがく)禅師とともにわずか1年で700余体の石像物を建造したといわれています。そして、この五百羅漢の中には誰かに似た顔が必ずあるとの言い伝えがあります。また、羅漢寺では参拝者たちが願い事を書いた「しゃもじ」を境内に打ち付ける習慣があり、無漏窟の周辺は数え切れないほどのしゃもじで埋め尽くされています。(参考:公社 ツーリズムおおいたHP