学長挨拶

チャレンジすることを恐れない若者よ 来たれ

 日本では少子高齢化が進み、過疎化と一極集中、就労人口の減少などにより地域共同体の維持が難しくなってきています。その一方で、世界はGNPなどの経済規模を競い合う時代から、どこに住めば人生を最高に楽しめるかを選択する時代に入ってきています。そうして見ると、日本は圧倒的に世界のトップにあります。長寿で、治安も環境もよく、貧富の格差も少なく、美味しい食べ物や温泉などの「癒し」の文化にあふれ、それぞれの地域や季節ごとに異なる「マイクロカルチャー」に溢れています。マイクロカルチャーもまた人生を豊かにしてくれるものだと思います。
 本学には全国から学生が集まっています。私の経験では、一度故郷を離れて、別の文化に接してみると、故郷にあるユニークなもの、その長所が見えてくるものです。本学は、芸箭系の美術科と音楽科、人文系の国際総合学科と情報コミュニケーション学科を併せ持ち、さらに芸術系には二年制の専攻科を有する国内で唯一の公立短期大学です。ここでの教育は、美術や音楽、国際文化、歴史、情報、地域社 会など、まさに人々に生きる喜びを与え、暮らしを豊かにするものです。
 本学は2021年4月に創立60周年を迎えました。更に、キャンパスリニューアルも完了し、新たな第一歩を踏み出します。明るく開放的で、より便利になった学び舎で、私たちと一緒に芸術文化を学び、地域のマイクロカルチャーに気づく感性をより一層磨き上げ、広い視野と知識・技能を持って未来に向かいチャレンジできる大人になることを目指しましょう。
小手川 大助(こてがわ だいすけ)写真

Profile

小手川 大助 Kotegawa Daisuke
大分県立芸術文化短期大学理事長兼学長
大分県臼杵市出身、東京大学法学部卒
財務省内閣官房審議官、国際通貨基金日本政府代表理事等を歴任

学長コラム「生きる欣び」