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寄稿「光陰矢の如し」 名誉教授 小川 伊作

2021.10.4更新

 私が赴任した平成元年(1989年)4月は、ちょうど元号が昭和から平成に変わった年でした。当時の芸短大は美術科と音楽科2学科のこじんまりした大学で、学内も社会ものんびりとした時代でした。私も学生とリコーダーのクラブを作り、練習の後ラーメンを食べに行ったり合宿したりと、いまでも楽しい思い出です。ただ推薦入試が附属緑ヶ丘高校(現芸術緑丘高校)に限られていたこともあって、県内における芸短大の認知度は決して高いとはいえない状況でした。

 4(1992)年に人文系2学科が増設されると、学生数と教員数は一挙に増加し、キャンパスには新しい風が吹き、活気にあふれていきました。

 18(2006)年の芸文短大独立法人化により、県から独立した運営となりましたが、その時に新たに求められたのが地域貢献活動でした。これは音楽科にとってはよいチャンスでもあり、地元に音楽科の存在感を増すことに大いに貢献したと思います。

 27(2015)年からは念願の芸術系2学科の整備事業が始まりました。立派な音楽ホールに各種教室、専攻科室が整備され、従来の音楽棟もエレベーターの設置、レッスン室と練習室の増設など、音楽の学習に集中できるよりよい環境が整備されました。

 ところで私が指導していた「理論コース」は、実技ではなく音楽を探求することが目的でした。学生にとっては演奏から一歩引いて、卒業研究をまとめるのは、戸惑うことも多かったのでと思いますが、音楽の深い理解にはつながったのではと思っています。

 私が定年退職したのが30(2018)年3月。振り返ればあっという間の29年、文字どおり「光陰矢の如し」でした。退職後も折に触れ風の便りに卒業生の活躍を耳にするのも嬉しいものです。

 今年は創立60周年を迎えられたとのこと、在職中のご厚誼に感謝申し上げるとともに、末筆ながら改めてお祝い申し上げ、これからも変わることなく芸術文化の拠点としてありつづけることをお祈り申し上げます。

大分県立芸術文化短期大学 名誉教授 小川 伊作 (音楽科)