Epistula Vol.62「外国語の楽しみ」(2021年3月10日)

学長コラム 生きる欣(よろこ)び 「外国語の楽しみ」

Epistula Vol.62(2021年3月10日付)掲載

 1968年、高校生の時に交換留学生 として1か月強ドイツに行く機会を得ま した。また大学入学後の2年間、昼間は東 大の教養学部に行きながら、夜は毎日3時間、週6日のロシア語の専門学校に通い ました。

 ドイツ語とロシア語の共通点は、英語やフランス語と違い、外国人が自分たちの言語を話すということを予想していないということです。こちらが話せることが分かると、先方は驚き、喜び、それまでのよそよそしさが消えて表情に嬉しさが表れ、直ぐに友達になれます。

 マルチの国際交渉ではこの点をよく利用させてもらいました。ドイツやロシアと組んで、日本や彼らの主張を最終合意に何度も入れることができました。また、ドイツ語やロシア語の歌を幾つか覚えて、ここぞという時に皆の前で歌いました。時には世界的に有名な音楽家の伴奏で歌う機会もできました。

 ありがたいことに、日本のカラオケには11か国の言語の歌が入っています。アジアの国では徳永英明を代表として日本の歌がその国の言葉で歌われています。そのため、私も13か国の言葉で歌えるようになり、色々な国の人々との出会いの場で役立たせてもらいました。